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2010.01.31 (Sun)

ご報告

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 本当にご無沙汰しております。
 ムラコシです。

 今回は、この日記をご覧の皆様に大事なご報告を申し上げたいと思います。
 特に、教え子の皆さん(見とるのかしらんが)には、非常に申し訳ないお話となってしまうのだが、ご容赦。



 長年にわたり、多摩地区随一のインチキ臭い国語授業を展開してきた不肖ワタクシムラコシ剛、
 現在の職場を2月一杯で退職させていただくことと相成りました。
 今後同業他社に行く可能性はゼロではないのですが、

 
 ひとまず、塾講師を今シーズンで引退します。
 

【More・・・】

 実を言うと、夏期講習を終えた9月からすでに専任講師(正社員)を辞し、残りの期間を非常勤講師(アルバイト)として授業を担当している。
 本当を言うと、一刻も早く今の「会社」からは出たい。
 のだが、同時に、
 本当を言うと、一日でも多く今の「仕事」を続けたい。
 という矛盾した心情が交錯していた。
 しかし、今担当している受験生を途中で放り出すわけには行かないし、放り出したくない。
 つーか、面倒を見るのが塾講師として当然だろう。
 こうして、会社にわがままを聞いてもらった。
 今のところ、今度の受験生が自分の最後の教え子ということになる。
 塾講師としては、「最期」かもしれない。

*****

 理由……はいろいろあるが、簡単にまとめると、
 世界が壊れてしまった
 ということになるのだろうか。
 あまり赤裸々に状況を説明するわけにもいかない。

 思えば、入社してかれこれ16年、特に現在の校舎に配属されてからは丸11年。
 忙しい仕事だったが、振り返れば非常にやりがいのある仕事であった。
 私は、この仕事が大好きだった。
 授業が大好きだった。
 塾講師とは、子どもの相手をしながら、同時に自分の子どもの部分すらさらけ出すことのできる、類稀な職業ではないかと思う。
 お蔭様で自分の授業は楽しく、忘れられないと言ってくれる卒塾生がたくさんいる。自画自賛になってしまうが、他にはマネのできないスタイルを築いて、今の校舎に、いや、会社全体でも一定の存在感を示すこともできたようだ。しかし、何を隠そう、一番その授業を楽しんでいたのは自分自身ではなかったかとも思うのだ。
 だって、面白くないと、やってらんねえし。

 自分が塾業界に身を置いたのがなぜかはおいておき、この世界にいる自分とその環境は、一つの「世界」として完結していた。
 午後出勤、深夜まで仕事という、一般会社員とは半日ずれた生活パターン。土曜だろうが日曜だろうが授業で出勤、テストで出勤。学校が休みになれば講習で朝から晩まで授業しっぱなし。受験の直前は休みほとんど取れず。
 受験戦争だなんだ言われるが、生徒の立場から見れば受験学年は1年で終わる。しかし教える側は毎年が夏期講習毎年冬期講習毎年正月特訓そして受験だ。
 それは、「現世」との乖離をより明確化させる結果となった。一般の人々の歩む人生とはかけ離れた時間を、自分は繰り返し回っていた。
 受験生は、受験が終われば「卒業生」としてこの「夢」から覚め、この「世界」から出てゆくが、自分は受験が終わっても、フェイドインしてくる新学年にもう一度繰り返し授業をする。
 ずっと「夢」の中の住人としてそこに居続けたのだ。

 円環構造の日々。
 パラレルワールドのように繰り返す一年。
 気がつけば、「現世」の基準では、十一年が過ぎていた。

 でもその世界で自分は走っていた。どうすればうまく教えられるか、どうすればみんな合格できるかだけを究めようと燃えていた。だからそれはそれで満足だった。
 小学部国語科副責任者という肩書きまでいつの間にか手にしていた。
 難関校模試の問題作成も一人で担当した。様々な校舎の生徒が集まる難関校講座の教材作成・授業も担当した。
 その「世界」で、自分は満たされていた、のだろう。今思えば。
 この「世界」が、永遠に続くと思っていた、のだろう。今思えば。

 が、ある日。
 そのループに気づくのだ。
 5年前、「世界」の外側からの視点を知ってしまった。
 自分は、「人間」になろうとしてしまった。
 自分は、「現世」に戻ろうと思ってしまった。
 その時から、永い「夢」の世界は壊れ始めた。
 
 自分が吐く詩のようなものは、その世界の外側から見た、世界そのものだ。
 「夢」の中の住人が、「夢」の外側から「夢」を見る。
 その世界は、目覚めの悪い朝に思い返す「夢」の、不可解さに満ちていた。

 だから、正直に言うと、2005年以降の自分の仕事は、停滞していた。
 気づいてしまったから。
 その年以降の授業は、完全に過去の遺産で食いつないでいた。
 該当する学年の生徒には、本当に申し訳ないと思っている。
 本当なら、もっとうまくできたはずなのに。
 夢から覚めてゆく者たち(生徒)に、もっと面白い夢を見せることもできたはずなのに。

 そして二年前、自分だけに起こっていた瓦解が、別の場所から「世界」全体に広がった。
 経済の論理という「現世」からの圧力。
 「先生」は「社員」になった。
 「授業」は「商品」になった。
 
 「現世」の基準では、この「夢」が循環を始めて、すでに十六年が経過していた。

 ここは、どこだ。

 「夢」の終わりは、混濁していた。

 自分には願いがあった。
 自分がその年に担当する受験生全員が、良い夢を見たと思える結果が出せたら、この仕事を辞めよう、と。
 もちろん、そんなにうまくいくことがあるわけないのはわかっている。
 ただし、もしこの「世界」を出るならば、その願いをかなえて、出たかった。

 その「世界」も、もうすぐ消失する。
 願いの叶う場所。
 それが、叶わぬまま破綻する。

 だから、僕にとっては、ある意味「最期」の瞬間を、今すごしている。
 だからせめて、最期の願いをかなえるためだけに、その時を待とうと思う。
 もうこれ以上、この「夢」の中にいることもできないだろうし、この「夢」はすでに壊死しつつある。
 音のなくなる瞬間が、最近増えている。
 最近エレキギターを鳴らすのは、無音を埋めようと、無駄な抵抗をしているせいかも知れぬ。

 最期の願い。
 
 今年の受験生が、「夢」を通過したものとして、この「世界」の最期を、そしてこの「世界」の住人である自分の最期の姿を、その記憶にとどめてくれるように。
 


*****


 改めて、

 不肖ワタクシムラコシ剛は、今シーズンを以て、塾講師を引退いたします。
 


 明日から中学入試が始まる。
 そして、「世界」の最期の一ヶ月も始まる。

 「夢」の最期まで、僕は続けよう。
 この「世界」は崩れてしまうけれど、
 その最期の瞬間を見届けようと思う。


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*Comment

T朋に通う高1、もうすぐ高2です。

お世話になりました。

ありがとうございました。

そして、お疲れ様です。

M先生はT先生と共に僕の尊敬する人の一人です。

それと、いつか本当に飲みに行きましょうね!
s.k |  2010.03.08(月) 17:34 |  URL |  【コメント編集】

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2010.03.25(木) 10:42 |   |  【コメント編集】

レス遅れてごめんなさい。
こっちの方、放置してたのでコメントに気づかなかった。


s.kさん>
だれだかわかったよ。わざわざ来てくれてありがとう。
絶対のみ行くぞ!約束だからね。

管理人のみ閲覧できる謎の教え子さん>
まさかお前がここに来るとは!
受験お疲れ様。
この春休みは進学に備えてゆっくり過ごしてください。
お前とも飲みたいな、まだ先だろうけどw
ムラコシ剛 |  2010.03.26(金) 15:27 |  URL |  【コメント編集】

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